普段からちょくちょく読書をする方ではあるのですが、最近はめっきりまとまった時間を取ることもできなくなり、気づけば積読が増えてきているのが悩みでした。
そんな時にに目に留まったのがこの書籍。
昔から「速読」という概念に興味はあったので、そういった類の書籍を読んだ記憶はあるのですが、内容は全然覚えていない笑
なので、この書籍がタイトルどおり「死ぬほど読めて忘れない」のであれば、それはもう非常に画期的なことで、お金を出しても手に入れたいスキルの一つです。
それが、この書籍を読むだけで手に入るのか……?
読みながら思っていたのは、「進研ゼミみてぇだな」でした。
ああ、いい意味でですよ?笑
実用書あるあるだと思いますが、「これをやればすべて上手くいく!」みたいな表現が散見しておりました。
著者さん曰く、高速読書を身に着けると、仕事は充実し、コミュニケーション能力が養われ、論理的思考が得意になるのだそうです。
これに関しては「嘘くせぇな」と思うより、素直に「だろうなぁ」と思いました。
スキル「高速読書」を身に着ければ、実用書(200ページ程度)が30分で読むことができるとのことなので、確かにその速度で本を読むことができ、なおかつ記憶に定着するのであれば、仕事で必要な知識を大量に取り入れることも、コミュニケーションのための糸口となる話題を本から拾い上げることも、論理的に書かれた文章を読み込むことで、自然と思考が論理的になることは当然ありえると思います。
ただ、少し誇大広告が過ぎるのでは……と思いましたが、言いたいこととしては、進研ゼミときっと同じで、テストで良い点を取って自身がつくことにより、ほかのことにも精力的に手を出せるようになる、あるいは効率のよい勉強方法を知ることによって、部活動などでも効率を求めて行動することができるようになり、結果、あらゆることで成功を遂げることができる、という論法と同じですね。
問題は、この本を読んで、本当に「高速読書」が身につくのか、それ以前に「高速読書」なんて技能が存在し、更には誰にでも使える普遍的なスキルなのか、というところですが。
読んでみた結果。
そうですね。
「やれなくもないだろうけど、やってみないとわからない」という印象でした。
本の中で、具体的に「高速読書」の実践方法についていくつか触れていますが、ざっくりまとめると、
こんなところでした。
「高速読書」は、書籍全体を読む速度を上げるというよりは、その書籍の肝要となる部分を見極め、そこだけを重点的に読む、というスキルのようですね。
まず、本を読む前に、その本からどんなことを学びたいのか、目的を設定する。
人間は時限が設定されいれると集中力を増す生き物なので、その性質を利用してタイマーをセット。
設定した目的を満たせるところを重点的に読み込み、それ以外の部分は軽く目を通す程度で飛ばし読み。特に必要だと思ったところはドッグイヤーして、あとから見返せるようにする。
結構、理にかなっているし、実践もしやすいな、と感じました。
早く読むための具体的な技術としては、漢字のみを読む、というものくらいでした。
これは前に何かの本でも読んだことのある技術で、実際にやってみると、ひらがなは読まなくても文章の内容は結構理解できます。人間がそういう風にできているようですね。ひらがなは感じの補足をする程度の役割だ、と断じてもいました(ただ、例外的に「だから」とか「しかし」の接続詞は、重要な内容を記すための文言なので見落とし厳禁)
「本に記されている内容がすべて重要ではない」というのは、結構僕にとっては衝撃的でした。
僕は細かく全部を読んでいたので、一冊を読むのにかなりの時間がかかっていました。
この本を読んでから、何冊か「高速読書」を意識して読んでみましたが、必要としているところはしっかり理解が追いついていました。これには結構びっくりです。この調子なら、休日などまとまった時間が取れるときには、数冊の書籍を読み切ることも難なくこなすことができそうです。
ただ、枝葉末節は切り捨てなければなりません。
「自分がその本から学び取ろうとしていること」は、理解できるのですが、それ以外で作者さんが伝えようとしていることは、ほぼほぼ頭に入ってきませんので(笑)
まあ、飛ばし読みをしているのだから当然ですね。
文章力を鍛える本があったとして、技術的な説明の補完内容で、音楽のこととか、車のこととかが書かれていたりしますが、読み終わったあと、具体的にどんな内容(作曲家名とか、車種名とか)はほとんど記憶の彼方です。
「せっかく購入した本なんだ、書かれている内容はすべて自分の血肉とするぞ!」という方には、「高速読書」という方法は適してないのだと思います。
一言一句読み落とすことなく、ゆっくりと深く理解をするのであれば、やはり時間をかけた熟読、というのは必要になってくるみたいですね。
ただ、実践してみた結果、こと「深く理解する」ということに関しては、「高速読書」は非常に有用でした。
人間、興味のあることなら、理解するのも記憶に定着させるのも容易ですからね。
「この本からはこれを学ぼう!」という明確な目的があるのであれば、学びたい情報以外はすべて排斥し、なんならその本にはそれ以外の情報なんて書かれていないかった、くらいの読後状態でもいいのかもしれません。
長々と書きましたが『死ぬほど読めて忘れない高速読書』は、これから何かを学ぼうとしている人には、非常にためになる一冊だと思いました。
昨今は時間に追われる毎日を送る人が多いと思われます。
そんな多忙の中でも、スキルアップを考えている人には、うってつけの本だと思うので、もしも機会があれば読んでみてはいかがでしょうか!