12月10日発売の電撃文庫新刊『キンダーガーテン・アーミー』
作者である蘇之 一行さんは 第21回電撃小説大賞〈銀色〉受賞者のようですね。
『マンガの神様』という作品で受賞されたようです。
これも面白そうな雰囲気ですね!
さて、今回読んだ『キンダーガーテン・アーミー』ですが……。
非常に面白かったです!
簡単なあらすじ
英雄と呼ばれるほどの、元最強兵士軍人である力也(主人公)が、なんやかんやあって、幼稚園の先生になる、という話です。
キンダーガーテン(幼稚園)+アーミー(軍隊)ということですね。
タイトルどおりの内容です。
詳しくはこちらから。

幼稚園に軍人をぶち込むというミスマッチ。しかしこれが面白い!
いやぁ、良作でした!
こういう、ミスマッチ的な作品は色々とありますが、舞台が幼稚園というのは新しい気がします。
軍人としてずっと生きてきた力也(主人公)は一般常識をあまり知らないため、幼稚園に務めだしてからも軍人気質が抜けず、園長先生をボスと読んだり、先輩の先生を上官と仰ぎ、先輩からの命令は絶対服従だったりと、力也は真面目にやっているのに、それが普通とは少しずれていて、それが軽妙な文章で描かれているさまは非常に面白く、あっという間に読み切ることができました。
ストーリーのほうも無駄がなく、細かい話の起伏に加え、ちりばめた伏線を全体の一番の盛り上がりへと収斂していく様は見事でした。
是非、アニメ化を期待したい作品です。
ストーリーの中で、キャラクターの成長がある
ラノベでも漫画でもアニメでも、登場人物がストーリーの中で様々な事象から感化され、良い方向(もしくは悪い方向)に変化していく様がしっかりとあるのが、良い作品というものだと思います。
『キンダーガーテン・アーミー』は、そのあたりがしっかりと盛り込まれておりました!
主人公の力也は軍人に比べれば幼稚園の仕事など簡単なものだと思っていましたが、実際にやってみるとその仕事の難しさに直面し、自身の能力のなさ、適性のなさに悲観しますが、園児や同僚との絡みの中で、自分がどうすれば園児とうまくやっていけるのかを見つけ、幼稚園の先生としての成長を遂げます。
昨今の俺TUEEEとかだと、主人公は一切の苦悩を持たず、簡単に物語を踏破していくものが多い気がします。それはそれで一つのジャンルであり、それが故の面白さというのも確かにあるのですが、俺TUEEEの作品で駄作と呼ばれている作品はほとんど、キャラクターの成長がないが故に、ストーリーの魅力が激減してしまっているのが原因なのでは、と個人的に思っています。
キャラクターは確かにストーリーの中で生きています。それを読者に伝える方法が成長です。
『キンダーガーテン・アーミー』はそのあたりがそつなくこなせていたからこそ、良い作品に仕上がっているのだと僕は思いました。
まとめ
蘇之 一行さんの作品は初めて読みましたが、ほかの作品も気になるほど、『キンダーガーテン・アーミー』は良作でした!
二巻が出たら是非購入し、読んでみたいと思います!
皆さんも是非、バトルものじゃないラノベを読んでみたい! と思ったら『キンダーガーテン・アーミー』を読んでみてください!
こちらも面白そうです……!